3,音の選び方、音の種類

トニック感覚でのアドリブの考え方、LCCの音の順列によって、安定、不安定を表現する方法を前述しました。
今回は実際のコード進行上で、どのように音を選んで行くのか?どのようにメロディを作って行くのか?
音の種類という視点で考えてみたい。

①コードトーン
文字通り、コードに含まれる音の事である。
テンション等指定がある場合はコードトーンに含んでも良い。
又含まれない場合はここではノンコードトーンとして扱う事にする。
メロディの強拍部分に現れる音は殆どコードトーンであるといっても過言ではない。

②パッシングトーン(経過音)
コードトーンとコードトーンをつなぐ役割をしている音。
解決先は同一コード内でも、次のコードトーンでも良い。
また単音とは限らずノンダイアニックコードによるアプローチも経過音として扱う事がある。

③オグジュアリーノート(補助音)
コードトーンから全音又、半音上下に移行して戻る音
ビロードリー(刺繍音)とも呼ばれ、ジャズ等では良く出て来る。

④サスペンションノート(掛留音)
2つの和音が連結時に前のコードトーンが次のコードトーンまで引き延ばされた時、この音を掛留音と呼ぶ。
掛留された音は半音又全音下行して次のコードトーンに解決するのが一般的。

⑤チェンジングノート(転過音)
同一和音内で、強拍部より予備なく始まるノンコードトーンが、全音又半音上下のコードトーンに解決する時の音を転過音と呼ぶ。
また倚音(いおん)と呼ぶ場合もある。
掛留音と同じく下行して解決するのが自然であり、上行する場合は半音上に解決するの一般的な使い方である。

⑥アンチペーション(先行音)
次のコードのコードトーンが、前のコード中に先行して現れる音を先行音と呼ぶ。
原則として前のコードトーンよりも短い、又は同等の音価でかつ、弱拍部に現れるのが自然である。

⑦エスケーピング(逸音)
コードトーンから半音又全音上下のノンコードトーンに移行し、次のコードトーンに飛躍する。
この時のノンコードトーンを逸音と呼ぶ。
コードトーンから上行して逸音が現れた後、下行方向に3度飛躍するパターンが多くみられる。

メロディーやアドリブソロのほとんどが、上記の7つの音に分類される。
どなたかのソロを採譜したものをアナライズしてみると、ほぼこの音で構成されているので驚くはずだ。
また、自身で練習の際は、コードトーンが基本となっているので、コードトーンでラインを作りながら、その他の音を意識的に混ぜる練習をしてみよう。