スケールで考えないアドリブソロの方法

はじめに

セッションやライブ等で「今何のスケール使ってたんですか?」
ギタープレーヤーに暫しば見られる光景だと思うが、応えに困ってしまう。
何故かというと、私があまりスケールについて考えて弾いていないからだ。
もちろん、スケールについての一般的な理解はしてるし、フレーズ毎にみれば明確に何のスケールを使ったのかは答えられると思う。しかしそれはあまり重要な事ではないし、「オルタードスケールを弾くぞー!」と考えて弾く事は無い。

では、私がどのようなアイディアでインプロビゼーションを捉えてるか、すこしまとめてみることにしてみました。
なるべく多岐に渡って書くつもりなので、みんなの知らない事の1つや2つは出てくるといいなと思ってます。
皆様の参考になれば幸いです。

またスケールについては、アイディアを発展させるには必要不可欠、他者のアイディアを読み解く為にも必要。さらに自己のオリジナリティーを確立する為にも重要な鍵となります。基本的な知識がある事を前提に話しが進みますのでご了承くださいませ。
リズムのアイディアや正確性についても同じ事が言えますので、これらを踏まえた上で参考にして下さい。


1、トニック感覚
古今東西の音楽というものは、緊張と安心(安定)の連続によって成り立っている。
緊張部分と安定部分に大雑把に考えて、アドリブして行くのをトニック感覚でソロを取ると言っている。(一般的にこういう言い方をするのか不明)
よくあるコード進行をファンクションで示すと(ダイヤトニックコードのトニック、ドミナント等の説明は省きます)
Ⅰ T→D→T
Ⅱ T→SD→T
Ⅲ T→SD→D→T
Ⅳ T→SDm→T
Ⅴ T→SD→SDm→T
Ⅵ T→SD→SDm→D→T
主に6種類が考えられる。(もちろん例外はあります)
これらの進行を大きく捉えてソロをしてみよう。

まずは(T→D)でやってみよう。
C | G | C | G |
マイナーキーでも同じ
Cm |G |Cm |G
この進行で繰り返し練習して、INとOUTの感覚を掴もう。

次に(T→SD→T)の進行。これはアーメン終止と呼ばれてる進行でジャズではあんまり出て来ないと思います。
C | F | C | F |
このような進行でアドリブすると少しブルースフィーリングでも行けそうな感じもする。
SDの特徴音である第四音(key=CだとF音)を上手く混ぜながらアドリブするのがコツ。
またSD時にDと区別するためにB音を強拍に出現させないようにする。

次は(SD→D→T)の進行。いわいる2-5-1の進行です。
まずは
Dm/G7|C  |の様な進行をSD→TまたはD→Tのように大きく捉えて、アドリブしてみてサウンドするようにやってみる。
その後
Dm|G7|C |C |の様な進行でSD→D時の不安定さにグラデーションをつけ、フレージングする感覚を身につけてみよう。
一般的な2-5のフレーズがこのフレーズなので、このフレーズの多彩さが、奏者のボキャブラリーに直結する。

次は(SDm→T)の進行。これは特殊な響きがあって、特徴音はb第6音(key=CでAb)
Fm|C |又は|Ab|C |などの進行がこれにあたる。
この場合特徴音のAbの音を上手く使うのがコツだが、大きく不安定なフレーズでもサウンドする事が多い。
G7b9th系のフレーズがハマる事が多いのは、代理機能としてDm7-5/G7b9| C△7|という進行もハマるからである。

その他の進行
SD→SDm→T
Dm|Fm/Bb7| C |や
SD→SDm→D→T
Dm |Dm7-5/G7| C
等のコード進行もこれまでのフレージングを組み合わせれば問題なく弾ける。

これらの弾き方のコツとして、大雑把にファンクションのグラデーションを感じてフレージングするという感覚です
安定←           →不安定
T SD D(mixo系)SDm D(alt系)
という傾向が見える。
ではここに登場しないノンダイヤトニックコードやトニックディミニッシュのようなコードはどうだろうか?
結論を言えば、ちゃんと機能している進行であれば、上記の様な捉え方でアドリブは可能だし、理論上転調と捉えた方が上手く行く場合もある。
ケースバイケースであるが、これらについて言及した理論書があり、私は多いに納得し参考にしました。
それは次の項目で。

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